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2025.09.15UPDATE

和尚の独り言8月号「お盆、て何?」 「焼香、3回?」 「欲望、は悪?」

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毎日毎日、暑すぎますね!見た目だけでも涼しくしようと思い、今回は空とレモンのイメージの配色にしてみました。
直近3回分の『和尚の独り言』を皆様と一緒に少しだけ要点を振り返ります!(出来るだけ)解り易く!

お盆= お盆とは、仏教行事。『ウランバーナ』という古代インドの言葉が語源。
意味は、『逆さ吊りの苦しみ』。餓鬼道(地獄みたいな所)に落ちた母親を、供養により天界に救った、
という話が教えとして中国に伝わり、当て字で『盂蘭盆(うらぼん)』となり、
『盂蘭盆経』という経典として日本に仏教と共に伝来。
『仏教+日本人の民間信仰+地域風習』の形で整えられ、現在の姿に。
『お盆』=『ご先祖様が帰ってくる期間』となりました。
ご先祖にありがとうと伝えるためでもあり、家族みんなで故人を思い出す時間でもあり、
生きている自分達の『命の繋がり』を感じる行事なのです。

焼香= 焼香とは元々は体と場所を清める為の物。
入浴の習慣が難しく暑い日が続く古代インドで、死者と関わる時や聖なる場所に入る前に僧侶達が使っていました。
仏教が東アジアに広がる中で、生活環境も整い始め、『香=匂い消し』という実用的な意味は薄れてきました。
代わりに、『香=仏に捧げる尊い供物』という象徴的な意味が強まってきました。

では、何故3回?!
真言宗等の密教(仏教の中でも、特に秘される物事が多い宗派)では人の行動を以下の『三密』に分けます。
①身(しん)=体の行い。動作や振舞い方。
②口(く)=言葉の行い。話す内容や言葉使い。
③意(い)=心や思考。思う事や、心の状態。
この三つが起こす悪さを『三業(さんごう)』と呼び、
この三業を清めて『仏と向き合う準備が出来ました』という気持ちと姿勢を表すのが、真言宗の三回焼香です!

でも浄土真宗なんかは『香は仏への捧げもの。形式より心を大切にする』(素敵すぎる)という理由から一回焼香ですし、
曹洞宗は『香との一体化』の為に額に捧げます。宗派によって全く異なります。
共通して言えることは、『物理的』から『精神的』な清めへと意味づけが進化した所です。

欲望= ほどほどに!
でも『欲望=向上心』に近づけられたら、悪い物ばかりでもない…?
(住職…欲望について偉そうになんて言えません)

合掌

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