今まで『和尚の独り言』を執筆して参りました、気力・体力・行動力の権化である当院住職も、
寄る年波には勝てず執筆活動に割ける体力の確保が少し大変になって参りましたので、
少しの間休息を取ってもらう事と致しました。
(やはり長時間に渡りパソコンの前で座って作業するのは大変な様です…。栄枯盛衰、諸行無常…。)
そこで私、副住職(37歳)が、当院と皆様との御縁の賜物である 「和尚の独り言」シリーズを引き継ぐという、この重責を担わせて頂く事と致しました。
皆様に楽しく面白く、そして出来るだけ解り易く、仏様やお寺・仏教・その周辺の事を お話させて頂くつもりです。
(主観が大部分ですご容赦下さいね…)
合掌
まずは…三月、【お彼岸】ですね。
『そもそも【お彼岸】って何ですの?!』
……はい、皆様の声を、誠に大きな声で代弁させて頂きました!!
『お彼岸』なんて誰にとっても気づいた時から、何となく迎えて何となく過ぎていく物ですよね。
でも日本人なら誰もが必ず知っている言葉、
『お彼岸』とは一体何なのか、せっかく毎年過ごすものなら、知っておいても決して損はありませんよ…?
知った上で何かのプラスに出来たらそれは最高、知った上で全く興味もてなくても、それも正解!
【お彼岸】とは、簡単・簡潔に言うと、【ご先祖様に感謝を捧げ、供養をする期間】であります。
一年の内で、春分の日と秋分の日を中心に、前後3日間ずつを合わせた7日間を、お彼岸と呼びます。
そもそも『彼岸』とは、彼の岸(向こう岸)・仏の住む世界、つまり耳なじみのある言葉では『あの世』ですね。
対義語は『此岸』つまり此の岸(こちら岸)、人間の住む世界、つまり『この世』ですね。
春分の日と秋分の日は、真東から日が昇り、真西に沈んでいきます。
よく聞く『極楽』とは、正式には『西方極楽浄土』と言い、阿弥陀如来様が治めていると云われています。
真西に沈みゆく太陽に極楽の姿を重ねて思いを馳せて、阿弥陀様に救いを求めたのでしょう。
また、太陽が真西に沈みゆく春分・秋分の日は、此の世と彼の世が最も近づく日だとも考えられた様です。
その事から、ご先祖供養の期間とされ、根付いていった風習とも言えます。
お盆との違いは…余白の関係上、また夏にお話し致します。
お彼岸中の過ごし方は、こだわろうと思えば切りが有りません。
しかし、大事な事はたったひとつ!
自分のルーツとなるご先祖様に感謝をする。
今のあなたがいるのはあなたのご先祖様のお陰、今の私がいるのは私のご先祖様のお陰。
そのご先祖様達も皆、誰かのお陰で生きていたんですね。
いつの世も変わらず………【お陰様で】って事ですね!
合掌