
仏教の事、俗世の事…。徒然なるままに、若僧が記します。出来る限り、つまらなくならぬ様に努めます。
そう記して始めたこの【和尚の独り言】も、先月で一年を迎えました。もともとは、先代住職が書き続けていた【寺小屋便り】が始まりです。仏教や仏事、仏様の事を少しでも身近に感じてほしい、そんな想いのこもったものでした。
その先代が亡くなった時、正直に言えば、私は迷いました。「終わらせてもいいのではないか」と。読む人がいなくなるのではないか、ではなく、自分に出来るのかどうか…。その一点です。
先代の文章は、教科書の様に難しく、深く、隙が無い。それに比べて自分はどうか。人に語れるほど、出来た人間でもない。やらない理由はいくらでもありました。
しかしある時、お寺の前でこの紙を手に取る方の姿を見て、思ったのです。「…逃げるのは、違うな」と。上手く書けるかどうかではない。伝えられるかどうかでもない。
続けるか、やめるか。ただそれだけの話でした。
だから決めました。仏教の事も、俗世の事も、半分ずつでもいい。立派でなくていい。ただ、やめない事だけは守ろうと。
気の利いた言葉も、深い教えも、ここには無いかもしれません。それでも、何か一つでも心に残れば、それで十分です。
最初は10枚ほどでした。今では多い時で60枚ほど。数字が全てではありませんが、手に取って下さる方がいる限り、私は書き続けます。
読んで下さるあなたへ。そう、あなたです。静かに、しかし確かに届いている事に、心より感謝申し上げます。
合掌