
私が若い頃、「最短で行け」「無駄をするな」「とにかく結果」そんな言葉を、よく聞きました。早く、効率よく、失敗せずに…。けれど人生とは不思議なものですね。真っすぐ進もうとする程うまくいかない事が多い。思い通りにならない日、回り道ばかりの日々。立ち止まり、引き返し、「何をやってるんだろうか」と思う夜。私も、随分と遠回りをしてきました。
仏教には、「迷いの中にも道がある」という考えがあります。「悟り」とは、迷いを消す事では無く、迷いの中でどう歩くかを知る事だと。近道を選んだつもりが崖だった事も、正しいと信じた道が行き止まりだった事もあります。
それでも、今になって思うのです。私は、正しさだけでは人は救われない場面を幾度も見て参りました。遠回りしたからこそ、見えた景色があり、出会えた人がいます。手を合わせられる心が残りました。もしあの時すぐに辿り着いていたのなら、今の私はここに居なかったでしょう。
2月は、内面に内面に向かってしまう季節かも。寒さに負け、気持ちが沈み、「止まる自分」を責めてしまいがちです。しかし仏様は、急げとも比べろとも仰りません。ただただ、「今いる場所から、歩きなさい」そう静かに示されるだけです。遠回りは、失敗ではありません。迷いもまた人生の一部です。
芽は一番寒い土の下で、一番深く、根を伸ばします。焦らないでオッケー!比べないでオッケー!遠回りの先に、ちゃんと辿り着く所があります。今はただ、自身の歩幅で進みましょう。
合掌